ケーブル長とリターンロスの関係

2018年1月24日記載

■はじめに
アンテナのリターンロスを測定する際に、アンテナアナライザーとアンテナの給電部を同軸ケーブルで接続します。今回はその同軸ケーブルの長さを変化させた場合のリターンロスの変化を、実測データで比較します。

■測定
アンテナ
 自作GTV70-17m
リターンロス測定
 アンテナアナライザー(AA-600)
比較用ケーブル
 1.5D2V(フジクラ) 1m
 2.5D2V(フジクラ) 5m
構成
 AA-600 → (比較用ケーブル) → GTV70-17m
 AA-600で得られたインピーダンス(R、X)をパソコンに取り込みリターンロス(RL)を計算。

■結果
比較用ケーブルの長さの違いによるリターンロス特性の変化をグラフにします。


ケーブルの長さを変えてもRLのディップ点の周波数は変化しませんが、ケーブル長が長いほうがRLが小さくなっています。これはアンテナアナライザーが出した信号がアンテナに到達するまでの損失とアンテナから反射してアンテナアナライザーに戻ってくるまでの損失の合計が、1mのケーブルよりも5mのケーブルのほうが大きいため、結果的に反射波が小さく見えてしまうことが原因です。
以上から、アンテナ給電部でのリターンロスを正確に測定する場合には、できるだけ損失の少ない短いケーブルを使用する必要があります。

TOPに戻る