セツブンソウを育てる
【2024年1月8日】
今年もセツブンソウの観察を始めることにしました。
セツブンソウの球根が入った発泡スチロール箱の様子です。表面上は針葉樹の葉しか見当たりません。試しに針葉樹の葉をかき分けてみると・・・


見つけました。土の中から出てきた蕾が二つ。同じ場所から出ているので、一つの球根から出てきたものだと思います。開花するまでにはもう少し時間がかかりそうです。箱全体を探せば他にも蕾が見つかるかもしれませんが、今後の楽しみのためにやめておきます。


【2024年1月13日】
ここから開花までが、思ったよりも時間がかかるのです。


【2024年1月18日】
開花しました。昨年よりも一週間ほど早い開花です。今年の冬は暖かな日が多いので、開花が早まったのでしょう。


【2024年1月23日】
ここ数日、雨や曇りで薄暗い日が続いていましたが、午後から晴れてきました。現在のセツブンソウの様子です。全体的に昨年よりも地上部が大きく立派な印象です。一番右の花のがく片の枚数が6枚です。一般的には5枚が多いですが、時々見かけることがあります。


さらに、がく片が6枚の花では蜜腺の色も違っていますね。中央手前は黄色ですが左は黄緑色です。どうやら、がく片と蜜腺の変異は球根ごとに現れているようです。キンポウゲ科は変異しやすいので、さらに違いが見つかるかもしれません。


【2024年1月31日】
訪花昆虫を発見しました。ホソヒラタアブのようです。よく見ると手足に白い粉がついているので、花粉を媒介している可能性が高いです。花粉媒介昆虫の活動があまり期待できないこの時期に、他の花からどうやって受粉をしているのか知りたかったので、うれしい発見となりました。


【2024年2月1日】
今日の甲府の最高気温は17.7℃と季節外れの暖かさになり、開花が一気に進みました。


今シーズンに咲いた花は合計で16輪になりました。昨年は5輪だったので、3倍以上に増えたことになります。


一番最初に咲いた花は、結実を始めていました。


こちらはがく片を落として間もない花です。


葉が出てきました。葉が大きいので来年に花が期待できそうです。


【2024年2月11日】
数日前に右上の花が咲きました。これで今シーズンに咲いた花は合計17輪になりました。最初の一輪が開花してから約一ヶ月と、短い期間でしたが、楽しませていただきました。


【2024年2月27日】
春のような暖かな日から一転、一昨日には雪が降り、昨日と今日は北寄りの強く冷たい風と、真冬に逆戻りです。家のセツブンソウですが、先週から庭のサザンカの木の下に置いています。2月11日の写真と比較してみると、葉も背丈もずいぶん大きくなっったことがわかります。


一番最初に開花したものです。袋果は膨らんで大きくなり、広がってきました。


こちらでは袋果が5個あります。全体的に株の生育が良さそうなので切り取ることはせず、黄色くなり始めた順に採種する予定です。


【2024年3月23日】
さらに背丈も葉も大きくなりました。木漏れ日の下で管理しているのが良いのでしょうか、葉は枯れることなく緑色を維持しています。


袋果は中身の種の形が分かるくらいに膨らんでいます。


【2024年3月25日】
試しに袋果を開けてみたところ、白くて割れ目のある種が入っていました。種を指でつまんでみるとわずかに粘りを感じました。完熟するまでには、もうしばらくかかりそうです。


種の大きさは約2.5mm。全部で7粒入っていました。


【2024年3月27日】
雨で肌寒い日が続いていたのですが、今日は晴れて春の陽気となりました。セツブンソウの様子を見たところ、一番最初に開花した株(1月18日開花)の袋果が割れていました。そのうち一つは袋果が大きく変形していました。ホウセンカのように勢いよく種を飛ばすのでしょうか。


袋果を摘み取って中から種を出してみました。左が少し割れていたもので種の数は5個、中央が割れていなかったもので9個、右が変形したもので1個です。左の数が少ないのは、割れ目からこぼれ落ちたためでしょう。


割れ目を上にして見ると馬蹄形に見えますね。


【2024年4月10日】
割れ目の入った袋果を完全に割れる前に摘み取ってタッパーに入れておいたところ、いつの間にか種が弾けていました。


今年収穫できた種はこれだけです。正確に数えたわけではありませんが、200個くらいあると思います。保存期間が長いと発芽率が下がるので、早速種をまきました。


【2024年4月25日】
地上部が枯れました。根が動き出す秋まで休眠に入ります。