八木アンテナのスタック間隔と指向性パターン

2020年12月9日記載

■はじめに
八木アンテナをスタック化するとシングル八木と比べてフロントゲインが増加するだけでなく指向性パターンも変化します。今回は、水平2列スタックにした場合の間隔(スタック間隔)を変化させた場合、指向性パターンにどのような変化があるのかをGTV70-11w Ver.3.0のMMANAのシミュレーションモデルを使って調べました。

■結果
以下、f=432MHzの垂直偏波時の水平面指向性(左、地面と平行)と垂直面指向性(右、地面と垂直)です。今回は水平面指向性に着目します。

シングル時の指向性パターン


1.スタック間隔=0.8m、の場合

シングルからのフロントゲインの増加分=2.32dB
シングルに対してフロントゲインはあまり増加しませんが、±30度方向のサイドローブは大きく抑制されています。±30度方向にノイズ源がある環境では、S/Nの向上が期待できます。

3.スタック間隔=1.0m、の場合

シングルからのフロントゲインの増加分=2.79dB
スタック間隔が0.8mの場合と比べフロントゲインは増加しましたが、±30度方向のサイドローブがやや目立つようになりました。ノイズが特別に大きくない環境であればフロントゲインとのバランスがとれていると言えます。

3.スタック間隔=1.2m、の場合

シングルからのフロントゲインの増加分=3.05dB
スタック間隔が1.0mの場合と比べフロントゲインはわずかに増加しましたが、±30度方向のサイドローブはさらに大きくなりました。ノイズが少ない環境でゲインを重視したい場合には有効かもしれません。

■まとめ
スタック間隔の選び方によって指向性パターンが変化することがわかりました。受信環境の最適化のためには、フロントゲインだけでなく、指向性パターンにも気を配る必要があります。

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