430MHz/DG7YBN/YBN70-5m

2015年10月15日記載

■はじめに
長いことアンテナを作っていなかったので練習のために5エレ八木を製作しました。本アンテナの試作にあたり個人的な技術研究の利用目的で以下の資料を参考にさせていただきました。

 参考資料
  「DG7YBN - Low Noise Yagis」 http://dg7ybn.de/
  「八木アンテナを作ろう」 CQ出版社 玉置晴朗著

■アンテナ構成
ブームには20mmのアルミ角棒、ラジエータは直径3mmの銅丸棒、他のエレメントは直径3mmのアルミ丸棒を使用します。エレメントの固定には、上下にネジのタップが切られている長さ40mm、太さ8mmの樹脂製スペーサを使用します。スペーサに横穴を開けてエレメントを貫通させ、脱落防止のため樹脂製のネジで抑えて固定します。ブームの影響を少なくするために、ブームとエレメントとの間隔は35mmにします。ブームとスペーサは、ブームの裏から金属ネジで固定します。
 

今回のアンテナの給電部のインピーダンスは50Ωです。5DSFAの芯線とシールド線を左右それぞれのラジエータにハンダ付けします。ラジエータは半分に分かれていますのでスペーサを4個使用して機械的に安定させています。平衡ダイポールへの不平衡給電による悪影響を防ぐために、フロートバランとしてパッチンコア(LF-102B、240Ω@100MHz)を入れて外皮外側電流を抑制します。リフレクターの固定には給電ケーブルを通すために2個のスペーサを使用します。
 

■設計データ
今回製作したアンテナは、DG7YBN局のホームページ(※1)に掲載されている、「YBN70-5m」をベースモデルにしています。「YBN70-5m」のデザインは、50オームで給電できるためインピーダンス変換回路による損失や工作誤差による再現性などの不安要素が少なく、さらに指向性パターンのF/Bがよいため目的外の不要なノイズを拾いにくく遠距離通信に向いていることから、ベースモデルとして利用しました。
なお、今回製作したアンテナのシミュレーションモデルでは、「YBN70-5m」のベースモデルに対して、エレメントの位置を変更せずに長さのみを変更しています。

※1 http://dg7ybn.de/

【シミュレーションモデルの定義ファイル】
シミュレーションにはMMANAを使用します。


【指向性パターンの周波数特性】
SSBで使用する430MHz付近からFMで使用する434MHzまでの範囲で、インピーダンス(R、jX)、ゲイン(Ga)、F/B、も比較的ブロードに変化しています。


■エレメントの長さ調整
最初にシミュレーションモデルの寸法通りに組み立てましたが、SWRが最小になる周波数が、シミュレーション結果に対して低い場所にありました。そこで全エレメントの長さを一律2mm切断して短くしたところ、SWRが最小になる周波数がシミュレーション結果と一致しました。
SWRの傾向を一致させることでシミュレーションモデルが再現できたとは言い切れないかもしれませんが、それほど間違ってはいないと思います。


次回はフィールドで性能を確認したいと思います。

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