中白根山、間ノ岳、西農鳥岳、農鳥岳

◆データ
中白根山/山梨県南アルプス市・3055m
間ノ岳/山梨県南アルプス市・南巨摩郡早川町・静岡県静岡市・3190m
西農鳥岳/山梨県南巨摩郡早川町・静岡県静岡市・3051m
農鳥岳/山梨県南巨摩郡早川町・静岡県静岡市・3026m
◆登山日
2008年8月10-12日 晴れ
◆アプローチ
甲府=奈良田温泉駐車場(バス乗り場)=バスで広河原へ
◆歩行ルート
8/10
広河原(6:44)-大樺沢二俣-八本歯のコル-北岳山荘(テント泊)
8/11
北岳山荘-中白根山-間ノ岳-西農鳥岳-農鳥岳-大門沢下降点-大門沢小屋(テント泊)
8/12
大門沢小屋-奈良田第一発電所-奈良田温泉駐車場
◆メンバー
中島氏(なかじ)、瀧澤氏(タッキー)

豪雨による途中敗退などでなかなか実現しなかった間ノ岳と農鳥岳登山。二泊三日のテント泊の予定で出かけることにした。

8/10、奈良田温泉駐車場からバスで広河原へ。準備を整え登山口に向けて出発。


大ザックが重く感じる。久しぶりだからしょうがないか。登山者を乗せた北沢峠行きのバスが横を通り過ぎていったが、天気がよさそうなので仙丈ケ岳も甲斐駒ケ岳も楽しく登ることができるだろう。


大樺沢出合のつり橋前。昔バスターミナルがあったアルペンプラザの建物がなくなっていた。いつからなくなったのかは分からないが、自家用車で広河原まで入ることができなくなってからかな。つり橋前で北岳をバックにパチリ。とりあえず天気はよさそうだ。


つり橋を渡って小屋前で水補給。今までこのルートを登ってよい印象がないので登る前からなんとなく気が重い。これからの長い道のりで何事もなければよいが。


しばらくは沢沿いを進む。まだ朝早いことと沢の水音を聞きながら木陰を進んでいるのでまだあまり暑く感じない。今回は食料をはじめ荷物の軽量化に取り組んだが、その成果はいかに。


最近作ったものだろうか、鉄パイプで組まれた建設現場の足場のような橋で右岸へ。記憶はあいまいだが以前通ったときには右岸に渡ることはなかったと思うが最近のルートなのかな。


しばらくは右岸を進む。このあたりになると所々で先行者が休憩している。先頭のなかじは調子が良いようで、特に休憩することなくサクサク登っていく。


最初の橋と同じく鉄パイプで組まれた足場のような橋で再び左岸へ。ここでザックをおろして休憩。ここまでは勾配もきつくないのでウォーミングアップには丁度良かったかな。


いよいよ正面に大樺沢の雪渓が見えてきた。勾配も少しきつくなってきて、日差しをさえぎる木陰も少なくなってきた。ここからはペース配分に気をつけないと後半にバテそうだ。


もうすぐ二俣。雪渓近くの道を歩くと風がずいぶん涼しい。洞爺湖サミットでは冬場の雪保存しておいて空調に使用していたらしいが、確かに環境にやさしい方法だ。


振り返って見えた山。左から、赤薙沢ノ頭、高嶺、観音岳。


ミヤマハナシノブ。このあたりでは多くの花が咲いていた。


二俣の手前あたりから下山する人が増えてきた。道幅が狭いところでのすれ違いが面倒なのと、雪渓の上は涼しく体力の消耗が少ないだろうとの判断で雪渓上を歩くことにした。二俣をすぎ八本歯コルを目指してまっすぐ進むと一気に人が減った。そりゃ北岳経由ならば普通は右俣ルートを登っていくはずなので当然だ。一気に登ってきたのでザックを下して休憩することにした。


まわりに雪がなくなり、ガレ場の登りになってきた所で休憩。大ザックの重さで肩が痛い。普段は日帰り装備での登山ばかりなので仕方がないといってしまえばそれまでだが、もっと鍛えないとだめってことかな。


梯子の連続する急な登りが始まった。途中で休むと登りはじめで余計疲れるので我慢して一気に登ることにしたが、さすがにタッキーもなかじもつらそうだ。丁度下山する人をよけたところにスペースがあったので、一旦タッキーとなかじを待つことにした。


学生か社会人か分からないが、若い女性だけの数人のグループがおりてきた。ずいぶん大きなザックを背負っているが縦走してきたのだろうか。下山とはいえずいぶん元気がありそうだったが、それに比べて今のわれわれのバテバテ状態はなんと情けないことか。


時間は12時丁度。長い梯子の連続にあえぎながら、やっと八本歯のコルに到着。


東には八本歯ノ頭、その先には池山吊尾根が続いているのだろう。


さあ、八本歯のコルからまだ先は長いので休憩せずに進もう。歩き始めは岩場の稜線歩き、随所に梯子があり安全だが、疲れた体にはなかなか過酷だ。


北岳の南側は花の宝庫。これはチシマギキョウ。


タカネビランジ。


イワツメクサ。


八本歯のコルから15分ほど歩いたところで一旦休憩、後続のタッキーとなかじを待つことにした。


北岳山荘方面分岐。大きな岩をぬうように進んでいくと、やっと案内標識が見えてきた。ここから目的地の北岳山荘へはまっすぐ進めばよいはずだ。体力に余裕があれば北岳経由も考えていたが、余力がないので今回はパス。天気が悪くなる前に北岳山荘につくことを優先することにした。


お花畑の広がる道を北岳山荘へ向かう。あとはほとんど平行移動なのでのんびり写真でも撮りながら進むことにしよう。


ミネウスユキソウ。


キンロバイの群生。


タカネコウリンカ。


タカネナデシコ。


イワベンケイの果実。


イブキトラノオの群生。青いのはトリカブトの仲間。


ハクサンイチゲ。


シナノキンバイの群生。


ヤツガタケタンポポかな。


タカネグンナイフウロ。


イブキジャコウソウ。


稜線が見えてきた。


北岳山荘が見えてきた。この到着時間であれば幕営場所にこまることはないだろう。まずは予定通りでよかったよかった。


テントを設営したらしばらくはのんびりモード。北岳山荘の幕営は一人600円、水は1Lで100円、バイオトイレつきなので、設備的には申し分ない。とりあえずビールで乾杯と思ったが、高いところでアルコールを摂取すると、アルコールのまわりが早いので今回は飲まないことにした。


夕方になって食事の支度をしているとあたりが雷雲に覆われてきて、まもなく夕立となった。しばらくテントで身を潜めていたが、1時間足らずでやんだ。いつものことながら、早い夕飯のあとやることがない。疲れているとはいえさすがに眠れない。暇なのでワンセグでサーチをかけると甲府盆地で見ることができないTVKを見ることができた。


8/11、3時半起床。早く寝たせいか、ずいぶん早くに目が覚めてしまった。やることがないので、とりあえず朝飯でも作って食べて、のんびり出かけることにしよう。


空が明るくなってくると、櫛形山の上に富士山が見えるようになってきた。わずかに霞がかかっているがそれもまた情緒があってよろしいかと。さて、本日はいよいよメインイベントの間ノ岳と農鳥岳への縦走だ。昨日の夕立と朝露で重くなったテントをたたんで出発の準備をしよう。


北岳山荘で水を補給して出発。


3000mの稜線からの眺めはすばらしい。時折立ち止まって写真撮影をしながらのんびり歩いていく。まもなく間ノ岳に向けての縦走の最初のピークである中白根山が見えてきた。


中白根山山頂。のんびり歩いてきたが北岳山荘から40分足らずで到着。目立たない小さなピークとはいえ3000m以上なので当然360度の展望である。


山頂から登ってきた道を振り返ると北岳が端正な姿を見せている。稜線の南からみる北岳が一番格好がよいかも。


南側に目を移すと間ノ岳が大きい。西斜面は切り立った崖のようであり、大きいだけでなく荒々しさを感じてしまう。北岳のような遠くからでも明確にピークと分かる山もそれはそれでよいが、間ノ岳は別の風格を持っているような気がする。


間ノ岳の山頂は見えているのになかなか到着しない。甲府盆地からみても、北岳から間ノ岳までの稜線が長く見えるが、それを身をもって体験しているといえるのだろう。やっぱり間ノ岳はでかいということか。


間ノ岳山頂。山頂が目前に迫ってきたらテンションがあがり、本能的にハイペースで駆け上がってしまった。少し遅れてなかじとタッキーが到着。


周りの登山者の白い目なんかお構いなしにいつもの「儀式」を決行。過去何度も裏切られた登頂だからこそうれしさもひとしおだ。


三等三角点だが存在感があり、新しい。


この標柱も新しい。


正面に荒川三山と赤石岳。その右に塩見岳。


中央アルプス。


仙丈ヶ岳、鋸岳、甲斐駒ヶ岳。


甲斐駒ヶ岳と北岳。その奥が八ヶ岳。鳳凰三山も良く見える。


鳳凰三山の尾根の奥に見えるのは奥秩父の山々。


富士山が幻想的。


手前の農鳥岳の奥に見える双耳峰が笊ヶ岳。


後続の団体さんが続々と山頂に到着してきた。あまり長居をすると団体さんの長い列の最後尾を歩くことになりそうなので出発。次は西農鳥岳と農鳥岳。まだ先は長いな。


農鳥岳に向かう鞍部の一番下に赤い屋根の農鳥小屋が見えてきた。せっかく標高を稼いだのにずいぶん下らなければならないな。


農鳥小屋までやってきた。小さな建物が寄り沿うように立っている。天気が良いので小屋の前を布団が干しているが、小屋の管理人らしき人がその上にゴロンと横になって眠っていた。近代的な山小屋が増えてきている中、なんとなく昔のニオイがするのは気のせいだろうか。


朝早く朝飯を食べたので、空腹を感じるようになってきた。「ここで昼飯にする?」、というわけでコッヘルを出して今回軽量化のために購入したソーメンのようなストレートな乾麺タイプのラーメンを食べた。「そういえば杏仁豆腐やフルーツミックスも買ったよね?」、食べはじめたら甘い汁まで飲み干してしまった。


食事を終えて出発すると、いきなりの急登が待っていた。なかじいわく、「登り切ればまもなく西農鳥だろうと気合を入れて登った」、らしいがまだはるか先のようだ。まあ、冷静に地図を眺めれば当たり前だが気持ちは分かるね。


西農鳥岳山頂。鞍部の赤い屋根は農鳥小屋。山頂を示すものは見当たらなかったので先へ。


通過してきた西農鳥岳。


農鳥岳はもう少し。ここから農鳥岳までは団体さんの後ろについていくことにした。


ちょっとした岩場でスローダウン。一人ずつ通過しないと危険なので仕方がない。ツアーだと思われるが、団体さんを取りまとめるリーダーさんは重労働だな。


最終目的地の農鳥岳に到着。


これで今回の登山の目的は達成だ。残念ながらあたりはガスに包まれ、周りの山々はあまり見えない。例によって人目を気にせず儀式を済ませ、ほっと一息。今後もめったにくることはないだろうと思うと後ろ髪を引かれる思いが強く、いつまでも山頂に残っていたい気持ちになってしまった。


本日の宿泊地の大門沢小屋へ。大門沢小屋に何時ころ到着することができるかな。


下降点の鐘のそばで団体さんが休憩していた。鐘の近くでなかじがフランス製のリップクリームを拾った。団体さんの中には落とし主はいなかったので、鐘の紐にに結びつけて置くことにした。このまま何日くらいぶら下がっていられるかな。途中で様子を見に来るわけにもいかないが気になってしまうな。


下降点の鐘付近から南に目を転じると、広河内岳が目の前にそびえていた。もしこの山に登る可能性があるとしたら笹山に登るときかな。


いよいよ下降開始だ。先行の団体さんをごぼう抜きしてダウンヒルスペシャリストのなかじは駆け足で下る。おいおい、そんなにペースを上げると後半ばてるぞ、と思いながらついていった。


何度か途中休憩を入れながら、どのくらい下っただろうか、しだいに沢の音が近づいてきた。飲料水もそこをつき始めたし、タッキーは下山中につまずいてひざを痛めてしまったので、しばらく沢で休憩することにした。


14時半に大門沢小屋到着。なかじとタッキーが到着する前に幕営の手続きを行って後続のタッキーとなかじを待つことにした。まもなくタッキーが到着そしてなかじは疲労のため逆切れ状態で到着。ビールとサイダーでとりあえず、「お疲れさん!」。


8/12、大門沢小屋を出発。テントの中でチキンラーメンを食べていて、スープを靴下の上から足にこぼしてしまったため、左足親指の外側がいわゆるやけどの水ぶくれになってしまった。タッキーも昨日の下りで傷めた膝の調子が良くないこともあるので、ゆっくり下山することにしよう。


下山途中にあった傾いた木製の橋。こんなのが何箇所かあり危険な感じだ。ぬれていたら滑って川に落ちてしまうんじゃないかな。


沢沿いの道が終わるとブナの樹林帯になった。これだけ立派なブナ林はあまり見かけない。


途中、先行するなかじが、遅れている私とタッキーの到着を待っていてくれたが、下山を再開するとまた見えなくなってしまった。ここまで下山してきた様子では足の指のやけども思ったよりも気にならない。タッキーもゆっくり下山しているので足にかかる負担も少ないので大丈夫だといっていた。


まだ道のりは長い。


いい雰囲気だ。


大岩を片手で支えるタッキー。


発電所取水口の吊橋。


人工的な建造物がみえるとなぜか下界に下りてきた実感がわいてきてほっとする。


もりやまばし。ここでは大規模な堰堤工事が進行中。


山の中に突然これだけの大規模な堰堤が現れると一種の違和感を感じる。


もりやまばしを渡って林道脇の登山道入り口へ到着。丁度工事関係者が始業前の体操を始めたところだ。


それにしてもなかじはどこまで先に行ってしまったのだろうか。まあここまでくればもう少しなので、休憩でもしてのんびり行こう。


途中の休憩所でなかじと合流。そして再び林道歩き。登山靴での平地は相変わらず歩きにくい。そうこうしているうちに発電所前のゲートに到着、とはいってもここから駐車場までまだ距離があるんだよな。


右手に駐車場が見えてきた。正直舗装路歩きはもう飽きた。こんなときせめて自転車があれば早いのにな。自転車も通行止めならばだめだが。



パトラッシュ、もう疲れたよ。


駐車場到着。無事に目的を果たすことができてよかったね。奈良田の温泉に入って汗を流し、甲府でたんぱく質を食って帰宅した。


おしまい。

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