竜ヶ岳

◆データ
竜ヶ岳/山梨県南都留郡富士河口湖町・南巨摩郡身延町・静岡県富士宮市 1485m
◆登山日
2008年1月1日 晴れ
◆アプローチ
国道358号=国道139号=本栖湖キャンプ場
◆歩行ルート
本栖湖キャンプ場-登山道入口-東屋-分岐-竜ヶ岳-分岐-本栖湖畔-本栖湖キャンプ場
◆メンバー
中島氏

いまさら言うまでもないが今回で9回目の竜ヶ岳元旦登山、もう正月にはおせち料理を食べるのが当たり前、と思うのと同じくらい元旦の過ごし方として定着してきた。

12/31、登山仲間の中島氏より、「今年は同行しますから」、との連絡が入った。竜ヶ岳登山は、正直言って自己満足のためだけに行っていることもあり、また1500m近い山頂で最低気温を記録する時間帯にじっと日の出を待つつらさを知っているからこそ、その決意表明はうれしいものだった。さて気になる天候だが、天気予報によると今シーズン一番の寒波が日本列島を覆っており、北日本の日本海側はもちろん、西日本の福岡や瀬戸内海各地でも雪マークで大荒れのようだ。一方東日本では、西高東低の気圧配置の恩恵を受けて初日の出を見ることができるとのこと。この調子ではきれいなダイヤモンド富士を拝むことができるに違いない。

元旦の朝4時に中島氏に自宅まで迎えに来てもらい、いつものように国道358号線いわゆる精進湖線に向けて出発する。途中のコンビニでカップラーメンやおにぎりを買い込み、一路本栖湖湖畔キャンプ場へ。

5時前にキャンプ場に到着。キャンプ場の駐車場は例年になくマイカーや観光バスですでに混み合っている。ここ最近でこれほど駐車場が混み合っていることがあっただろうか。車のナンバーも遠方のものが目立つ。東日本の好天を期待して遠征してきたひともいるのかも。渋滞さえなければ山頂までの所要時間は1時間半ほど、すぐに出かけると山頂で寒い思いをしながら日の出を待つことになることはわかってはいるが、周囲の車からは続々と出発している姿をみると、われわれも出発しないわけにはいかない。車から外に出てみると、思いのほか寒く感じられない。ダウンの下に着る枚数を1枚減らして出発することにした。あたりはまだ暗いので念のためヘッドライトを持参しよう。

出発直後、キャンプ場でポリタンクに水を汲む予定だったが、キャンプ場の水道はすでに凍結状態、考えてみれば当たり前のことだが、さてどうするか。まあ、ペットボトルのお茶は十分にあるので、中島氏が気を利かして購入した1Lのペットボトルの水があるので、コーヒーくらいは沸かして飲むことができるだろう。出だしからこの調子では先が思いやられるな。

キャンプ場の中を適当に歩いていつもの登山道入り口へ。登り出し早々渋滞状態。周りを見渡すと登っている面々は、どう考えても山をなめているとしか思えないような若者が多いことに気づく。スニーカはまだよい方で、スカート姿の女性もいるぞ。

立ち止まったり歩いたりと、断続的な渋滞を繰り返しながらなんとか東屋のある最初の日の出のビューポイントに到着。ミレニアムや21世紀で盛り上がってからすでに数年を経過しているのでさすがに今回もテレビ局のカメラはないだろうと思っていたが、どこぞやの撮影班が登山者を撮影していた。局名はでよく見えないが運がよければローカルニュースで使われる程度のだろう。ちなみに夕方のフジテレビのニュースで東屋からのダイヤモンド富士の映像が流れたが、それにはちょっとびっくりした。

東屋で休憩する団体客を横目に見て休息することなく山頂までのジグザグな道を歩き始める。振り返ると富士山の稜線が赤く色づきはじめている。富士山頂にはわずかにかさ雲がかかり、上手にダイヤモンドになるか気がかりではあるが、まあ大丈夫に違いない。さて登山道の状況だが、雪とともに踏み固められた地面ではあるがすべることも特にないので、念のため持参した軽アイゼンも登りでは使用することはなかった。

7時前に山頂に到着、予想通り富士山正面の撮影ポイントはカメラマンが陣取っている。まだ時間はあるので我々は荷物を降ろしてコーヒーでも飲むことにした。いまさら言うまでもないが、動かないでじっとしているととても寒い。動いていればまだよいが、足と手の指先が痛いほど寒い。たまらずバーナーの火で暖をとり日の出を待つことにした。傍らでは放置したペットボトルのお茶の中身が凍り付いているのを見て、あらためて氷点下であることを実感した。




富士山麓が裾野の方から徐々に明るくなってきた。富士山頂のかさ雲はまだ山頂にかかっている。デジカメのバッテリーも寒さのために不調なので、急遽ファインダーに切り替える。


まもなく山頂の雲の陰から光が出現、雲のおかげでちょっとぼやけているがまずまずのダイヤモンド富士だ。












締めは今年最初のはだか祭りだ。まずは寒さ知らずの中島氏から見本だ。初日の出のに輝く油の乗った肉体は年々成長をとげているようだ。負けじと隊長もというわけで、山頂標識の前で恥をさらす。さらに逆光でもめげずに万歳。こうして祭りの幕は閉じた。






あまった水を使って1杯のカップそばを二人で分け合う。なぜか体が温かい。帰りはいつもどおり渋滞を警戒し登りと違う道を選択。中島氏は4本刃アイゼンを装着すると自称下山部の本領発揮で先行者をごぼう抜きにしながら凍った登山道を駆け下っていくとあっという間に見えなくなってしまった。




登山道入口には、12/21に熊が目撃されたとの情報が張り紙されていた。下山してから知っても遅いが。というわけで楽しみにしていたなめこ汁サービスはなかったけれども無事目標達成。




着替えもせずそのままの格好で富士浅間神社へ。いつもの神社の駐車場はすでに満杯で、学校の校庭の臨時駐車場へ案内され、徒歩で神社へ向かう。風林火山の影響か、穏やかな天候のおかげか例年以上の人の多さにびっくり、文句を言っていても仕方がないので多くの参拝客が並んでいる最後尾にならび、出店のにおいの誘惑に負けそうになりながらやっと境内へ。一年の安全と無事を願って、お守りとお札を買って、おみくじを引いたら?吉でした。




これで本日の行事は無事終了。今年一年良い年でありますように。

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