蝶ヶ岳、蝶槍 |
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◆データ 蝶ヶ岳/長野県松本市・安曇野市 2677m 蝶槍/長野県松本市・安曇野市 2650m ◆登山日 2007年11月3日 晴れ ◆アプローチ 中央道甲府昭和IC=豊科IC=国営アルプスあずみの公園=烏川林道=ゲート手前駐車場 ◆歩行ルート 駐車場(8:25)-三股登山口(8:36)-常念岳方面分岐(8:38)-まめうち平-大滝山方面分岐(11:33)-蝶ヶ岳(11:42)-横尾山荘方面分岐(12:07)-三角点(12:31)-蝶槍(12:37)-往路と同じ道で下山-駐車場(15:50) ◆メンバー 単独 |
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紅葉が遅れているとはいえ11月にもなれば山は紅葉真っ盛りに違いない。天気予報では土曜日は快晴で日中は穏やかとのことなので早起きして山に行きたいところだ。最近は北アルプスばかりなので、中アの空木岳に行こうかと思ったが目がさめたのが5時半過ぎ、登山時間が長い空木岳では下山で暗くなってしまうので、第二候補の蝶ヶ岳に目的地を変更することにした。蝶ヶ岳からは槍穂が間近に見えるので、景色も期待できそうだ。三股からの標高差は1300m強、時間に余裕がありそうならば蝶槍まで進んでみよう。 いつもの豊科ICで高速を下り、国営アルプスあずみの公園に向かって林道終点まで車を走らせる。沢沿いの紅葉を見ながら8時過ぎに烏川林道終点のゲート手前の駐車場に到着。整備された駐車場は広くて余裕で50台以上は駐車できそうだ。すでに出発しただろう登山者の車が20台ほどあった。日帰りでこの時間出発は私が最後だろうな。というわけで、トイレも水場もある駐車場で準備をして出発。 ゲートの先のダートを10分ほど歩くと三股登山口。案内所の存在が夏場の混雑を想像させるわけだが、この時期では人の気配もなく寂しい。 登山口から歩いてまもなく常念岳方面分岐。何年か前に常念岳に登ったときには一ノ沢経由で登ったが、そのとき山頂で会った人が前常念岳経由で登ってきたが急だと言っていた。登りで使う人よりも、蝶ヶ岳から常念岳へ縦走して、下山で使うのが良いかもしれない。暗いうちに歩き始めれば蝶ヶ岳から常念岳日帰り周回コースも考えられなくはないが体力的に厳しいだろうな。 分岐からはしばらくは沢沿いの緩やかなルートが続く。沢の水音と紅葉を楽しみながらいつものようにゆっくりペースで歩を進めることにした。 力水と呼ばれる水場を過ぎて沢を離れると針葉樹林帯に変化。思ったより平坦で歩きやすい道なので足場に気を使う必要がないのでありがたい。道が良かったせいか、まめうち平まであっという間だった。特に疲れてもいないし、ベンチに腰掛けて先行者が休憩していたので、そのまま先を進むことにした。 まめうち平から先も歩きやすい登山道が続いている。標高2000m地点を示す案内標識が木に取り付けられていた。 蝶ヶ岳ヒュッテまで残り3.1kmとあるので、もう半分くらい登ってきたきたことになる。 2000m地点を過ぎたあたりから登りも急になり石がごろごろしてきた。蝶沢までくると木々の間から常念岳が見えるようになってきた。蝶沢という名前からすると水場くらいありそうだが、沢上部で水音が聞こえるだけで水は見当たらない。大雨でも降れば水が流れてくるのかな。ここは標高2150m付近、ヒュッテまで2.4kmと案内には書いてある。 相変わらず大きな石がごろごろした道を淡々と登っていく。旧ベンチという名前の場所までくると残り1.7kmで標高差も300mあまりなのでもう少しだ。 目の前が開けた丸太のベンチのある場所が最終ベンチ。旧ベンチの次に来るのは新ベンチじゃあないのか、と文句が多くなってくるのは疲れてきた証拠。でももうすぐ蝶ヶ岳山頂なので休まずに進むことにしよう。 蝶ヶ岳ヒュッテの赤い屋根が見えてきたら大滝山方面分岐。南東に見える比較的なだらかな山が大滝山かな。ここまで休み無しで歩いてきたのが響き、一気にペースダウン。まだまだ修行が鍛錬が足りないようだ。 登りきったところが蝶ヶ岳ヒュッテのある稜線。ヒュッテのすぐ南側に山頂の標識がある。 これまでの疲れが一気に吹き飛ぶほどの素晴らしい展望。時間は12時前なので蝶ヶ岳の山頂標識へ寄り道せずに、北にある三角点まで行くことにした。 ヒュッテの横を通り過ぎるとまもなく瞑想ノ丘。天に向かっている剣のようなものと展望指示盤があった。 目の前には夕暮れでもないのに赤みを帯び、上部に雪を抱いた穂高と槍の山並みが広がっている。はっきり言って最近の記憶にある景色の中で一番の絶景かもしれない。こんな景色を一人で楽しむのはもったいない。タッキーも一緒につれてくれば良かったな。 絶景を見ながら三角点方面に向かうと、わずかに下ったところに横尾山荘方面への分岐があった。横尾山荘と言えば、以前槍ヶ岳に登ったときにベースキャンプにした場所だ。蝶ヶ岳三角点は、おそらく目の前の小高い平らなところだろう。時間はまだ12時をちょっと回ったくらい。時間には余裕があるのでここで昼食後、ザックをハイマツの中にデポして目の前の小高い場所に向かった。 三角点に到着。背が高くて目立つ存在のはずだが、どちらかといえば目前の雄大な景色のほうに目を奪われてしまった。 三角点からさらに北には尖ったピークが見えた。よく見ると人がいるようだ。あれが蝶槍じゃないかな、というわけで早速行ってみることにした。 ピークの岩には黄色いペンキで「TOP」と書いてある。周りを見渡しても槍という表現が似つかわしい場所は他にはないのできっとここが蝶槍で良いだろう。 気のせいかもしれないが、槍ヶ岳の姿が蝶ヶ岳ヒュッテから見た時よりも一回り大きく見えた。 いつまでもこの景色を見ていたいが午後になって冷たい風が強くなってきたようだ。時間的にもそろそろ下山しないと駐車場に着くころには暗くなってしまうのであまりのんびりもしていられない。さあ帰ろう。 横尾山荘方面分岐にデポしたザックを背負って蝶ヶ岳ヒュッテまで戻り、長塀尾根のピークにある蝶ヶ岳の山頂標柱の前であらためて記念撮影。あとで本で調べると、蝶ヶ岳山頂は三角点ではなく付近で一番高い場所とのことなので、本日の最終目的地はここ2677mのようである。 さあ今から下山開始だ。気持ち的に寂しくなる下山という行為はあまり好きではないが、特に今日のような景色に出会うとなおさら帰りたくなくなってしまう。 まめうち平まで戻ってきた。登りでは休憩しなかったので、折角だから水分補給でもしよう。 ところでここ最近、下山で後続の登山者に抜かれることが多くなった。もちろん早く下ろうと思えば可能だが今日一日の出来事を思い出しながらのんびり下ることも楽しいと感じるようになってきたのかもしれない。また、ゆっくり下っているせいか、滑ったりしてバランスを崩したりすることも少なくなったのは、結果的には良いことだろう。おとなの登山に近づいてきた証拠かな。 駐車場へ戻ってきた。登山道が東に面しているためか、16時前ですでに夕暮れの気配。駐車場の車の数もあまり変わっていないので、ほとんどの登山者はお泊りなのだろうな。 豊科ICまでの距離があまり遠くないこともあり、真っ暗になる前に高速に乗ることが出来た。談合坂から小仏トンネルが渋滞との交通情報だが甲府で下りるので渋滞フリーだ。結局18時過ぎに甲府へもどることが出来た。 |
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