針ノ木岳、蓮華岳

◆データ
針ノ木岳/富山県中新川郡立山町・長野県大町市 2821m
蓮華岳/富山県中新川郡立山町・長野県大町市 2799m
◆登山日
2007年10月6日 晴れ
◆アプローチ
中央道甲府昭和IC=豊科IC=扇沢駐車場
◆歩行ルート
扇沢駐車場(7:25)-大沢小屋(8:24)-針ノ木峠(10:34)-針ノ木岳(11:33)-針ノ木峠(12:13)-蓮華岳(13:01)-針ノ木峠(13:59)-大沢小屋-扇沢(16:45)
◆メンバー
単独

10月にもなれば高い山ならば紅葉もそろそろ始まっているだろう。人間だれでも考えることは同じ、天気が良さそうなので人気の山は登山者でごった返すと思われるが、針ノ木岳ならば針ノ木雪渓がとけてこの時期あまり人が行かないだろうから夏のシーズンよりも比較的静かな登山が楽しめるかもしれない。扇沢の標高は1420m、針ノ木山頂まで標高差1400m、蓮華岳も合わせれば累積で1600m弱ではあるが、朝から夕方まで歩けば針ノ木岳まで登ったついでに蓮華岳へも寄り道できるだろう。

7時すぎに扇沢に到着、無料の駐車場はすでに一杯で上の有料駐車場しか空きがない。駐車スペースを探す時間ももったいないので、有料駐車場に止めることにした。出発準備をしていると続々と車がやってくる。そりゃそうだ、ここは立山黒部の玄関口、登山者だけでなく観光客も多いので無理もない。今日は好天が予想されることなので、大勢の人でにぎわうに違いない。


駐車場の先へ伸びる舗装路のゲート手前。その左脇が登山道入り口。プレハブ小屋の裏をまいて入っていく。地図をみると登山道がこの舗装路を何度か横切っているので、遠回りでも平坦な道を歩きたいのであれば舗装路を歩いても良いだろう。


何度か舗装路を横切っていくと広い空き地が現れた。基本的に一般車は進入禁止の道路なので、関係者の駐車場か資材置き場だろう。


車が止まっている横に案内があった。どうやらここから舗装路を離れて本格的な登山道になるようだ。


山腹を巻くように続くなだらかな樹林帯の道を進む。樹林帯歩きは退屈だが、時折現れる沢が一時の安らぎを与えてくれる。


水の流れる音がだんだん大きくなってきたなと思ったら大沢小屋が現れた。見た目では頑丈なつくりをしているようだ。小屋はすでに営業を終えたようで戸締りも完全になされていた。今回登山では標高差を考えてペースを落として休憩を減らす作戦なので、小屋前で休まずに進んだ。


小屋を過ぎるとまもなく大きな沢に出た。おそらく夏場にはこのあたりから雪渓に乗るのだろう。今回は雪がないため沢に下りることなく歩き難い岩肌を巻くように歩く事になった。白馬大雪渓を歩いたときにも感じたが、雪渓上は平坦で涼しく歩きやすいが、その恩恵を受けることができない。さらに雪解けで道が荒れていてクサリ場もあり、さらに水量の少ない場所で二度ほど徒渉することとなった。




雪がないといっても北アルプス3大雪渓の一つに数えられるだけに、上流部にはわずかに雪は残っていた。このあたりになると道がはっきりせず、勢いで進んでいったら本来の道をはずれ足場の悪い砂利に突入してしまった。まあ、沢筋を上流に向かえばいいので細かいことは気にしないことにしよう。






赤茶けた山肌にジグザグに刻まれた登山道をひたすら登る。ここまで何組かの登山者を横目に休憩することなく歩きつづけてきたが、峠を目前にしてペースが上がらなくなった。まあ予定より時間が早いのでのんびり進むことにしよう。


針ノ木峠到着。扇沢を出発して3時間10分、休みなく歩いたのでだいぶ早く着いた。予想通り景色は最高、登ってきた方角を振り返ると、針ノ木岳から爺ガ岳さらに鹿島槍ヶ岳さらにその先まで良く見える。


峠の向こう側には槍ヶ岳や穂高連峰がバッチリ見えた。


昼食のため峠で15分ほどのんびりした後、ザックをデポしてデジカメだけを持って針ノ木岳へ。


ハイマツと岩とのコントラスト、青空と山の景色に酔いしれながら歩く。


のんびり歩いていたつもりだったがピークは目の前。


針ノ木岳山頂。最近は雨や曇りなど天候に恵まれない日が多かったので、山頂からの大展望に感激。山頂からは高瀬ダム、穂高岳、槍ヶ岳、立山連峰、北アルプス北部の山々が一望できる。標柱の前で景色を楽しんでいると、上半身を脱いだ学生風の3人組が近づいてきて写真撮影を頼まれた。念のため下半身は脱がなくてよいかと尋ねたところ、自信がないので、との返事が返ってきた。




時計回りに展望を確認。


















峠まで下りた段階でまだ蓮華岳に登る気力と体力が残っていたので、残りの食料と水分を補給してから反対側の蓮華岳に向かうことにした。


途中で振り返って見えた針ノ木小屋。


先ほどまでいた針ノ木岳。


峠からの登りはじめだけは背の低い木々の中を歩いたが、その後は比較的ゆるやかな登り。針ノ木岳はどちらかといえばごつごつした石の間を歩く感じだが、こちらは平らな砂利道といった感じで歩きやすい。目標物が何もないので距離感がつかみにくく、山頂が目の前に見えるのでもう直ぐなのかなと思っても歩いてみると意外と距離がある感じだ。


スバリ岳と赤沢岳の稜線と立山連峰。


峠から50分弱。蓮華岳に到着。


最高点では3、4人の登山者が昼食を終えてのんびりしていた。風もなく穏やかで秋らしく多少薄い雲がある程度で風もなく穏やかだ。天気は明日から悪くなるようだが、そんなことを微塵も感じさせないほど良い天気である。景色がいいですね、と話しかけると、富士山も見えるよ、と教えてくれた。その手前に見えるのは南アルプスか、だとすると北岳かな。もっと長居をしたいところだが、日帰りだとそろそろ帰らないと扇沢に着くころには暗くなってしまうので、挨拶して一足先に失礼することにした。


時計回りに展望を確認。












針ノ木峠。午後2時だがすでに日が傾きかけている。扇沢まで3時間としても、駐車場に着くのは午後5時という計算になる。あまりのんびりしていられないので休憩もそこそこに早速を下山開始した。


山の斜面と紅葉と傾いた太陽の光が、なんとも物悲しい。雪渓手前で、針ノ木岳で上半身裸での写真撮影をしてあげた学生風の3人組を追い越した。大沢小屋まで休まず歩いてしばらく休憩して、歩き始めてまもなく3人組が後ろから勢い良く下りてきた。若いねえ、と声をかけ先を譲ったが、しばらく行くと水場で休憩モードでまたこちらが前に。これまた忙しいな。


結局駐車場に着いたのが16時45分。すでに駐車場の車は少なくなっていた。

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