火打山

データ 火打山/新潟県糸魚川市・妙高市・2462m
登山日 2006年6月10日 曇り
アプローチ 甲府昭和IC=上信越道妙高高原IC=国道18号=県道39号=笹ヶ峰
歩行ルート 登山道入り口-黒沢-十二曲がり-富士見平-高谷池ヒュッテ-天狗ノ庭-雷鳥広場-火打山山頂
メンバー 単独

4月から超過密スケジュールの仕事に割り当てられ、週末は疲労回復のためにのんびり過ごすことが多くなってしまった。振り返ってみると今回の登山はGWの飯縄山以来で、体力がかなり落ちた気がする。まあGW以降天候もぐずつき気味だったので元気であっても山には行けなかったに違いない、なんて勝手な理由で自分を納得させてしまった。しかしさすがにこれ以上登山の間隔を開けてしまうのは体力的にまずいと思い、いつもより少しだけ早く帰宅して山にいくことにした。
さて今回は、以前から行きたかった日本百名山の一つ、新潟県最高峰の火打山に登ることにする。ルートはやっぱり笹ヶ峰から高谷池経由だろう。登山口のある笹ヶ峰の標高が1300mちょっとなので標高差は1150mくらいでたいしたことはないが、歩行距離が少し長いことと残雪がどのくらいあるかが気になる。
#実はサッカーのワールドカップが始まるのでそちらのほうが気になる。
笹ヶ峰登山道入り口(7:54)

久しぶりに早起きして甲府を出発、甲府昭和ICで高速に乗り上信越道妙高高原ICで高速を下り、一旦国道に入り右折して県道を笹ヶ峰方面に向かった。笹ヶ峰にははじめて来たが、牧歌的な雰囲気で気持ちの良い高原だ。笹ヶ峰登山道入り口には20台程度の駐車場があり、その正面には登山計画書のポストがある。建物というべきか立派な門というべきか微妙な入り口を通って入山する形となる。
登山道入り口〜黒沢

登山道に入ると植生保護のためのなだらかな木道をしばらく歩くことになったわけだが、まもなくその木道も雪で隠れてしまい、テープなどの目印を頼りに残雪を歩くことになった。傾斜はなだらかなので用意したアイゼンは装着せずに、気持ちの良い新緑のブナ林を歩くことにした。時折ブナの幼木が横倒しになっていたが、たぶん今年の大雪で木々もだいぶ痛めつけられたのかもしれない。
それにしても、この時期では高谷池ヒュッテ近くまで行かないと雪はないだろうという甘い考えはすでに打ち砕かれ、この先の残雪が心配になってきた。
黒沢(8:39)

黒沢が近づいてくると沢の音がだんだん大きくなってきた。残雪も多いので沢の水量も思ったより多く勢いもある。木製の橋(黒沢橋)がないと渡渉は難しいかもしれない。
黒沢〜十二曲がり

黒沢からは登りが急になってきた。地図をみると十二曲がりと名前が付いているので十二回ほど折り返しながら登ることになるのかな、と思いつつ進んでいくと残雪で道がはっきりしなくなってきた。先行者の足跡は十二曲がりの道のあるべきところを直登していたので、とりあえず踏み後を信じて進むことにした。ここからは安全のためにアイゼンをつけ、十二曲がりっていうか曲がり無しで残雪を進むことにした。それにしてもザラメ雪ではアイゼンの効きはわるいなあ。
十二曲がり(9:20)

ちょっとどきどきしながら尾根に取り付くとそこにはシラネアオイが咲いていた。先日、インターネットの写真付き掲示板でシラネアオイの花を見たばかりだったのでかなりうれしい。
十二曲がりからの岩場

十二曲がりで突然雪はなくなった。すぐに急な岩場になったが残雪歩きに飽きてきたのでなぜか新鮮だ。やっぱり夏道のほうが歩きやすいな。


岩場〜富士見平

雪のない岩場も長く続かず、すぐに残雪になった。植生も大きなシラビソが中心となってきた。ここから先夏道は深い雪の下、テープなどの目印を目指して広い尾根を進むことになった。残雪は多く表面はザラメだが歩き難いと言うほどでもない。


富士見平(10:20)

標高が上がるにつれてシラビソの林の密度が低くなり、周囲の山々が見えるようになってきた。富士見平手前で、山スキーヤーと会話しながら小休止。火打山は山スキーに適していると聞いたことがあるが、登りではかなり体力が必要だろう。いつかはテレマークか山スキーにデビューしてみたいが、そのためにはもっと体力をつけなければならない。富士見平では正面に黒沢山をはじめ薄曇ではあったが周辺の山々もわずかに見ることが出来た。
富士見平〜高谷池ヒュッテ

富士見平を過ぎたあたりで山スキーヤーを追い越した。左手には目的地の火打山や高谷池ヒュッテが見えてきた。雪が消えた時期にみる景色とはおそらくだいぶ印象がちがうのだろうな。ヒュッテはまだ豆粒ほどしか見えないのでまだかなり時間がかかりそうだ。
高谷池ヒュッテ(10:45)

高谷池ヒュッテは閉まっていると思っていたが意外と開いていた。ひげのオヤジさん(ヒュッテの管理人?)が入り口付近を歩いていた。残雪のことを聞いてみるとやはり今年は例年よりも多いとのこと。
とりあえず雪に沈んだテーブルに寝転んで軽くパンをかじって休憩した。それにしてもここまで意外と疲れたなあ。やっぱり雪の影響?それとも体力の減退か?
ヒュッテ〜天狗の庭

ここまでくるのに意外と時間がかかってしまったのであまりのんびりもしていられない。広い雪原を目の前に見える火打山に向かってとりあえずトボトボ歩き始めたが雪面しか見えず距離感もよくわからない。歩けど歩けど雪原の景色がなかなか変化しないぞ。
天狗の庭〜雷鳥広場

天狗の庭からは木道の尾根に取り付き、しばらくは雪道歩きから開放されることになった。稜線までくると木道は消え再び残雪の上を歩くことになった。相変わらずアイゼンはあまり効かず気持ち良く歩くというわけにはいかない。場所によってはハイマツの中の道が使えるのだが、すぐに雪で消えてしまう。
雷鳥広場

目の前を登り切れば山頂ではあるが、急な斜面に備えて小休止。とても穏やかでゴロンと寝転べば気持ちよく眠ってしまいそうだ。薄曇りとはいえ日差しが強くこのまま眠り込んでしまうと日に焼けるだろう。後ろを振り返ってみると妙高山が美しい。高谷池ヒュッテも豆粒ほどにしか見えなくなってしまった。
火打山山頂(12:25)

最後の登りを我慢して登り切ると雪のない広々とした山頂に到着だ。石の積まれたケルンの横に標柱があるだけのなんともシンプルな山頂だ。標柱の横では一人の登山者がのんびりしていた。日帰りなのかと尋ねると、今日はヒュッテに泊まるらしい。そうだよなぁ、やっぱり折角ここまできたらもう少しのんびりしたいよなぁ。
山頂からの景色は360度の大展望、さすが新潟県最高峰。妙高山(写真左下)をはじめまだたっぷり雪を抱いた山々が良く見える。もう少しすっきり晴れていたら最高だっただろうな。焼岳方面には道があるが入山禁止と看板に書いてある。もし入山可能であっても今の体力の残りと時間を考えると焼岳(写真右下)までの日帰りは無理だけど。
笹ヶ峰帰還(16:06)

山頂で20分ほど寝転んでのんびりした後下山開始。下山をはじめると例の山スキーヤーがスキーを担いで登ってきた。あとは気持ちよく滑るだけでうらやましい。まわりに誰もいない雪原はなんともいえない雰囲気だ。

というわけで、帰りは登ってきた道のとおりに駐車場まで帰還した。駐車場近くの橋の下には、ミズバショウが群生していた。疲れた体には一服の清涼剤かもしれない。

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