北岳、小太郎山

◆データ
北岳/山梨県南アルプス市(当時:中巨摩郡芦安村) 3193m(当時:3192m)
小太郎山/山梨県南アルプス市(当時:中巨摩郡芦安村) 2725m
◆登山日
2004年7月10-11日 雨のち晴れ
◆アプローチ
国道52号=県道37号南アルプス公園線=広河原駐車場
◆歩行ルート
7/10
広河原登山口(8:15)-白根御池小屋(10:35)-草すべりコース-小太郎尾根分岐-肩ノ小屋(泊)
7/11
肩ノ小屋-北岳(4:30)-肩ノ小屋-小太郎尾根分岐(7:53)-小太郎山(9:23)-小太郎尾根分岐-草すべりコース-白根御池小屋-広河原登山口
◆メンバー
中島氏

■日記
朝5時過ぎに自宅を出発。途中で中島氏を乗せて甲府を南に向かいました。国道52号のコンビニで買出し後、県道37号南アルプス公園線を使って奈良田を通って広河原に入りました。甲府からのアクセスの良い夜叉神ルートの状況ですが、とりあえず開通したのですが、一般車は相変わらず入れないので、送迎バスやタクシーに乗り換えての入山ですとやはり利便性にかけるので、多少時間がかかっても奈良田から入るほうがいいかもしれません。ただし雨量によっては通行止めになる確率が高いので注意が必要です。

広河原駐車場で出発の準備をします。今日は肩の小屋でテント泊の予定です。


駐車場から登山口へ向かいます。


テント泊のフル装備を担いで広河原のつり橋を渡って登山道へ。20分ほどで白根御池小屋と大樺沢との分岐になり、右折して白根御池小屋方面に向かいます。前回北岳に登ったときには大樺沢経由でしたのではじめてのルートです。


分岐からは樹林帯の急登が続きます。滑りやすい場所には木の梯子もあります。途中休みながら我慢して登ります。


登りが緩やかになり水平移動に近くなるとまもなく白根御池小屋に到着。分岐から約120分かかりました。小屋はプレハブの仮小屋で営業中。池の周りはテント場になっています。まだシーズンではないのか、この日の小屋は閑散としており、小屋の人もかなり暇そうでした。小屋のまわりにはひとがほとんどいません。水は豊富にあるので、とりあえずここで早めの昼食にしました。それにしても、ちょっと天気が怪しそうです。


ミヤマハナシノブ。このあたりは花が豊富です。


昼食を終えて出発しようとしたそのとき大粒の雨が降ってきました。あわてて合羽を着て心臓破りの草すべりを登りました。


途中何度も木陰で雨宿りしながら休憩を繰り返し、やっと二俣との分岐に到着したときには土砂降りでボロ雑巾のような状況でした。小太郎尾根に向かうお花畑で花を観察する余裕などないまま、やっと尾根に着きましたが、周りは雲で景色はまったく見えませんでした。吹きさらしの尾根を肩の小屋方面に向かうと、1羽のライチョウが前方を歩いていました。全く余裕のない中島氏は、それに気が付かず踏んでしまいそうでした。ライチョウはまだ白と黒の毛が残っており、マイペースで歩いてハイマツの中に消えていきました。肩の小屋に着いてしばらく中で待機していたのですが、一向に天気が回復する気配がないため、やむなくテント泊はあきらめ、素泊まりで小屋にとまることにしました。

翌日、北岳山頂からのご来光を見るため早起きしました。でも外は霧で視界はありません。折角なので日の出にあわせて出発しました。

北岳山頂に到着。登山者は我々だけ、山頂で日の出を待っているのも我々だけ、何も見えないのを承知で登ってきたので納得ですが、ちょっと寂しい気がします。


何も見えませんがとりあえず記念撮影。


シロバナタカネビランジ。


ハハコヨモギ。


小屋に戻り、朝食を食べて荷物をまとめたら小屋を出発。


ガスの中、小太郎尾根分岐に向かいます。


小太郎尾根分岐。サブザックを準備していると、突然強い雨と風が行く手をさえぎることになりました。


土砂降りの中、迷うことなく小太郎山に向かうと20分ほどで一気に天候が回復し、周りの山々が見えてきました。登山道ですが、小太郎山分岐からは下りで始まり、その後なだらかになると道のはっきりしないガレ場になります。しかし先を見ながら進めば危険はありませんでした。


小太郎山と思われるピークはすぐ近くに見えるのですが、なかなか到着しません。


何度かアップダウンを繰り返し、一度ヤブの中に入って出ると小太郎山に到着。分岐から山頂まで90分ほどかかりました。天気は完全に回復し、360度の展望に恵まれました。登山中は全く人に会いませんでした。本当に晴れてよかった!


360度の大展望。まずは甲斐駒ヶ岳方面。


仙丈ヶ岳。


鳳凰三山。


歩いてきた小太郎尾根と北岳。


Tシャツがおしゃれだ。30分ほど滞在し山頂を後にしました。


小太郎尾根を戻る途中、20人ほどのパーティーが小太郎山を目指して登ってきましたが、人に出会ったのはそれっきりでした。小太郎尾根分岐に戻るころにはすっかり回りの山々は雲に隠れていました。ちょうどタイミングのよいときに登ったのかも知れません。
分岐からは白根御池小屋まで一気に下り、軽く昼食をすませてから登山口まで樹林帯を一気に下山しました。下山中、中島氏は奇声を発しながら足の靴擦れをずっと我慢していましたがついに限界に達し、登山口に到着したとたんに自販機の前のベンチに倒れこむように横になってしまいました。

悪天候で苦労しましたが、最後に小太郎山からの大展望を拝むことができて大満足の登山となりました。

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