K1FOタイプ15エレ八木の製作


1200MHzのコンテストに担ぎ上げで参加していたころの1995年、それまで使っていた自作のループ八木の性能に満足していなかったため、430MHzでは何本も製作し性能に満足していたK1FOタイプを、1200MHz用にスケールダウンして移動用に作ることにしました。しかし1200MHzの場合、430MHzに比べて製作過程でクリティカルな要素があり苦労しました。試行錯誤した内容から、1200MHzで八木アンテナを作る場合のポイントは以下の内容ではないか、と勝手に思っています。

1.エレメントはブームから浮かす。
最初は430MHzと同様にアルミブームに貫通させるタイプを製作したのですが、思い通りにSWRが下がりませんでした。そこでエレメントの長さの補正のため、ヤスリで長さを調節してみたのですがあまり効果がありませんでした。そのため最終的には樹脂製スペーサにボール盤で穴をあけ、ブームから浮かせて作り直しました。やはり1200MHzくらいになるとブームの影響はかなりあると思います。

2.給電部はシンプルが良い。
最初は430MHzで実績のあるTマッチ+Uバランの組み合わせでマッチングを試みましたがなかなかSWRが下がりませんでした。そのためバランは無視してフォールデッドダイポールに直接50オームケーブルを給電しました。シンプルな構造にしたほうが調整面や損失などでよいと思います。

参考文献
EMEハンドブック(CQ出版社)
八木アンテナを作ろう(CQ出版社)
パソコンによるアンテナ設計(CQ出版社)


各部の寸法

2004年1月11日 追記...
寸法データですが、EMEハンドブックのP123のK1FOの432MHZデータをもとに、位置と長さを比率で計算しなおしたのですが、D2の位置が432MHZで234mmになっているため234*432/1295=78mmとしました。しかし他の文献などでは224mmとなっていますので、224*432/1295=75mmが正解だと思いますしかし、実際の製作では78mmで作ってしまいました!正しいと思われるデータでの計算結果などについては後日報告したいと思っています。

位置(mm) 長さ(mm) 太さ(mm) コメント
REF 0 115 3
DE 35 113 3
D1 49 107 3
D2 78 104 3 本当の位置は、75mmが正解だと思われる。
D3 111 102 3
D4 155 100 3
D5 207 99 3
D6 266 98 3
D7 330 97 3
D8 399 96 3
D9 472 96 3
D10 548 95 3
D11 627 95 3
D12 708 94 3
D13 792 94 3

中心周波数を1295MHzに設定し、 寸法はエレメントの太さ以外はオリジナルK1FOの432MHzサイズを単純に周波数比で計算しなおしました。最適化を実施するともう少し良くなると思います。単純に計算するとエレメントの太さは1.6mmが理想なのですが、細いのは強度的および損失を考えて3mmを使用しました。本来ならば3mmを使用する場合は、補正のためもう少しエレメント短くする必要があるのですが、工作精度を考えて今回は無視しました。

15エレ八木の全景
アルミ角パイプに樹脂のスペーサを使って
エレメントを取り付ける。
給電部詳細
単純なフォールデッドダイポール片側給電。
ラジエータは30Ω前後なので、片側の15Ω
をフォールデッドダイポールで4倍にステップ
アップして50Ω同軸へ(ちょっと強引かも)。

MMANA Ver1.68(JE3HHT) による計算結果

計算結果で考えると、GainとF/B比は1270MHzくらいが一番良いみたいです。やはりエレメントの太さが影響し、計算では周波数がやや低めになっています。3mmを使用する場合はエレメント長を少し短くしたほうが良いと思います。

Freq=1270MHz
Gain=15.51dBi
F/B=20.89dB
Freq=1295MHz
Gain=14.93dBi
F/B=18.49dB
Freq=1310MHz
Gain=14.31dBi
F/B=18.14dB

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